2006.1.27
忙しい時代に『むかしかすていら』
生まれ育った街、掛川に仁藤という町がポツンとある。まだ掛川の街も華かな時代、商店街は沢山の店があり、商いをする活気溢れる空気が満ち満ちていた。映画館も劇場もあり、僕にとって町へ出掛けて行くのは何とも晴れがましい気分だった。それも遠い昔の時代となり、今では商店街もシャッター通りとなってしまい淋しい限りだ・・。
そんな仁藤の通りを車で走り抜けようとした時、一軒の和菓子の店を発見。もともとは、葛粉で有名な掛川。葛湯は、しょうがを入れて「風邪によく効く」と子供の頃に飲まされたものだ。
『桂花園』は、そんな葛を商う店である。この店の「むかしかすていら」は、一般のカステラとは趣きの違う物。一般では、大きく焼いたものを積み木状にカットするが、ここのは違う。1本ずつを型に入れて焼き上げる。随分と手間のかかったカステラだ。
口に入れると、ほのかに甘さがやってくる。そして、何とも楽しい香ばしさが鼻の奥でしばらく留まる。 その僅かな時間、僕は昔の掛川を想う・・・。胸の奥がギュッとなる・・。
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桂花園の『むかしかすていら』
慌ただしい毎日に、懐かしい田舎のお菓子。
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