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 鈴木三吉商店


2004.10.20


誰もが知ってる「京都」金閣寺、銀閣寺、清水さん、八坂さん…。
皆知ってる「京都」なのに何故だろう‥?、日本海側も京都だって事があまり知られてない。
そんな日本海側京都、丹後半島。網野という町がある。『とり松』は、古くからつづく料理屋だ。その「とり松」がこの頃、東京の百貨店で少し人気なのだ。年に一度の割合で開催される各百貨店の物産展。そこでこの「とり松」の“ばらずし”を見つけた。酢飯の間に甘辛く炊かれたそぼろ、錦糸卵の上にちりばめられた色とりどりの具材。
まるで、宝の箱を開けたような幸せが目に飛び込んで来る。割り箸を割るのももどかしく口に頬張る。『美味いなぁ…』って思わず笑みが溢れる。そして、もう一口頬張る。
東京に居ながらにして味わう美味しさ。今度は実際に出掛けて行こうと思う。
- 土地の味がございます−。箸袋に書かれた一言に旅の心を奪われた。

 



前からずっと行きたいと思ってら、向こうから来ちゃった。
でも、やっぱり出掛け行こうと思います。


2004.09.30


『スペシャル・クッキー』
原材料、小麦粉・卵・砂糖・バター・卵白。クッキーの場合、原材料なんて言っても単純明解。
泉屋(イズミヤ)のスペシャル・クッキーズ(子供の頃から御挨拶的な頂き物でいつも家にあった)の中のひとつ、リングダーツ。
ひと口かじった途端に昔が蘇った。粉とバターの豊かな風味が口の中に広がる。鼻筋の上、いささか細くなった所に風味が張り付く。どうやら匂いの記憶ってのはそこに留まり続けるらしい。子供の頃を思い出し、ウキウキとした気分になる。 小さくカットされた、アンゼリカ(フキのシロップ煮を着色して乾燥させたもの)・レモンピールなんかが浮き輪のアクセントみたいに張り付けられている。本物の素材だけで作られた素朴な味に圧倒される瞬間だ。しかも、優しさに溢れている。
やはり、本物は人を威圧しない。心だけが踊り出す‥。

 



食べた瞬間、懐かしさが溢れ出す


2004.09.21


中央高速を名古屋方面へと車を走らす。東京から時間にして約2時間半、駒ヶ根インターを出たら、右へと車を進める。
実は、もう数日前から頭の中は、その事でいっぱいだ。元々が山あいの街、駒ヶ根だが更に山に向かって車を走らす。山の匂いたっぷりの空気を窓を全開にして深呼吸みたいに身体に吸い込み染み渡らせる。そうこうするうちに到着。
「軽食とコーヒー/ガロ」。早速、入店か?と思いきや、満席の為暫
し待つ。そう言えば、始めてここに来た時、道路の反対にまで行列で2時間待ってようやく入ったな‥。
さて、満を侍しての入店、注文だ。「ソースカツ丼とミックス」。ソースカツ丼は御飯にキャベツ、少し甘めにブレンドされたウスターとトンカツ・ソースの中間みたいなタレに潜らせたヒレカツが4個。ミックスは、エビフライとヒレカツが2個2個で乗っかってくる。どちらも量が多過ぎて蓋が閉まらないので、ただ立て掛けてある。たっぷりとソースの染みた豚カツをガブリといく。
「旨いなぁぁ‥」最高の口福だ。ところが、その口福に反して何と量の多い事かッ!!口福も度が過ぎると不幸の始まりだ。回りを見渡すと皆、パックをもらい残ったカツを詰め変えて持ち帰りにしている。なるほど、最初からそういう量なのである。

 





2004.08.27


『卓上用ソース世界一』
テーブルの上に並ぶ醤油、酢の類い、そして、ウスター・ソースなど。朝ごはんの友、味海苔に醤油。夕飯のコロッケには、ウスターソース。
共に引き立て役としては、抜群のコンビネーションを誇る調味料だ。その基本は、料理そのものの味を変えないと云うところにある。
ところが、とある某タバスコ(名前言っちゃってるねッ)などの場合、確かに辛いが…ただそれだけ。逆に料理の味自体をタバスコ味に変えてしまう程に辛さのベクトルが一点に片寄り過ぎに思える。
喫茶店のナポリタンも見事にタバスコ味に染めあげてくれる。
さて、ハバネロ・ペパーソース。ピーマンを小さくしたような姿のハバネロ・ペパー。何と世界的にも辛いって事で恐れられるハラペーニョよりも更に30〜50倍の辛さ。にもかかわらず、まるでフルーツのように絶妙な甘味も兼ね備えている。個人的には、辛いものが苦手だが、このハバネロ・ペパーは料理の味をより引き出してくれる魔法の卓上ソースだ。

 



激辛、ホット、サボテン入。
3種類から選ぶ事が出来る


2004.07.30


夏休みに入ったからだろうか?町は人で溢れていた。 目的の場所に向かう途中のMハンバーガー店は、下北的若者、子供を連れたお母さん達でゴッタ返して、注文カウンターは長蛇の列が出来ていた。
そんな光景を横目に、こちらが向かうのは、ステーキとシチューの店
『バリエ』。 昔からの行きつけだけれど極最近になって、以前のいささか下北とは離れた場所から下北沢駅近くに移転して来た洋食の名店である。
今日はお昼なので、ランチ・セットのハンバーグ。サラダにカップ・スープ(クラムチャウダー)、主菜のハンバーグ(炒めたスパゲッティ、キャベツ、にんじんのグラッセが添え物)そして、白米。何と、800円ポッキリ。本物の料理がこんな値段で食べられるのは何とも値打ちがある。せめて、長蛇の列に並び、添加物だらけのハンバーガーを食べさせている母親と、何も知らないでされるがままの子供達にこの本物のハ
ンバーグを食べてもらえたらと‥、心から思う。

 



柔らかめに焼かれたハンバーグ。 つなぎに使ったパン粉の匂い、玉ねぎの甘さ、全部本物のハンバーグ。


2004.07.21


『軍鶏鍋灼熱天国』
とうとう夏の暑さも来るとこまで来たな‥、そんなうだるような暑さ。先日は何と!、39.5度にもなってしまった。これは、暑さでなく、熱さだ。
そんな最中に何だけど、灼熱の鶏鍋である。鬼平のファンであれば、すぐさま思い浮かべるのは、本所の「五鉄」だろう。しかし、あえてここは軍鶏鍋屋「鳥榮」。
普通、鳥鍋と云えばすき焼きのような割り下で食べるか味噌仕立てだろうが?この鍋は軍鶏のスープ煮だ。澄み渡った上等なスープでサッと
煮た軍鶏肉を大根おろしに山椒、ほんのひと垂らしした醤油で食べる。
最後には、温かな御飯に醤油ま染みた大根おろしと山椒、そして熱々のスープをかけて食べる。池波正太郎的に言えば、「ソップ飯」である。「何も足さない、何も引かない」究極の味がここにある。
エアコン無し、団扇あり。灼熱天国‥、暑さもブッ飛ぶ旨さだ。

 



池の端『鳥栄』。
時代小説に出てきそうな
古き良き建物にて味わう最高の鳥鍋


2004.07.09


不忍の池、蓮に占領される…

先日、友人達との集まり(食の集い)で、台東区は池之端に店を構える『鳥栄』という鳥料理に行った。約束は、7時。
その日は5、10日だったので車の混雑を予想して早めに家を出たが予想に反してスイスイと車は流れ、約束の場所の湯島天神下交差点には
30分前にポツンと一人で佇む事になってしまった。
纏わり付く湿気混じりの熱風にさらされ、車と人の往来激しい交差点で30分もの間、人を待つのは辛すぎる。
“水辺を渡る風に当たろう”と、近くの不忍の池まで脚をのばした。
「うわッ、スゲェー」、池一面を被い尽くす蓮。ひと所の隙間無くギッシリと被い尽くす蓮の群れにびっくり!!
風が吹き抜けると緑の絨毯がワサワサと揺らぐ。涼し気と言うよりも、
怖さすら感じる位に密集した蓮の群れに圧倒的な生命力を感じる。
今回は珍しく食べ物ネタじゃないと思いきや、不忍の池を占拠した蓮の下には食べ尽くせ無い程の蓮根が眠ってるんですね(笑)
約束の7時、交差点に戻ったら相変わらず人も車も濃密な熱気の中で密集をくり返していた。嗚呼‥、ヤレヤレである‥。

 



一体、この蓮の不忍の池の下には、どれだけの蓮根が埋まってるんだろう?


2004.06.30


『路地の王様』
夏い暑‥?暑い夏は勿論だけど、ジットリ蒸し暑い梅雨に食べたくなる物は?やはり「カレー・ライス」しかも、そこに豚カツ。 これが最高の夏食。言ってしまえばカツ・カレー。しかし、他とは趣きの違うのがこれ。
温かい御飯にサラサラのカレーをかけて、三個の豚カツを乗せる。そして、ウスターソースをひと垂らし。
何とも言えない程の香ばしい豚カツとカレーのバランスには、練りに練られた技と時間を感じさせられる。親しみ深い味とレトロな風情に思わず食が進み、嬉しくなる。
新宿の路地を少し入った角、『王ろじ』の“とん丼”。大正10年創業のとんかつ屋。聞けば、揚げた豚肉を最初に「トンカツ」と呼んだのはこの店だとか。因に、店名の由来は「路地の王様」
昔からきっと「この路地を入った所にスゲェーものがある‥」などと言い伝えられてるのだろう。路地の王様は今も健在だ。

 



お客の90%が、この『とん丼』を頼む。
一切の作り置きなしのアツアツのとん丼に妥協は無い。


2004.06.22


『梅雨衣』
何とも言えず、優しい。そして、清清しい青梅のデザートか。
厳選された大振りの青々しい梅を蜜煮にしただけ。
洋風に言うならば、さしずめ「梅のコンポート」ってところだろうと思う。ただ、洋風のコンポートとなると、シロップで蜜煮しただけでなく、仕上げにキルッシュ酒などを使い、より一層の風味づけをしたりもする。サクランボ(主にアメリカン・チェリー)のコンポートなどの場合、シロップ+赤ワイン。桃のコンポートには、白ワインなども使い蜜煮にしていく。
人形町、甘酒横町にポツンと佇む「凡味」。店名の示す通りの素朴な味には愛おしさを感じる。聞 けば、予約にて懐石的な料理も楽しめるらしい。ただ、店には一切の飾り気らしいものは無し。気負いも無しで
個人的には居心地良好。
で、この『梅雨衣』、梅雨のシーズンだけの限定販売。
興味の湧く方、今すぐ行かれる事をオススメしたい。

 



嗚呼…こんなに優しい甘味って他に記憶にないなぁ。甘味の後のほのかな酸味。
それにしたって愛らしい姿です。


2004.06.17


『真面目なお菓子』
世の中どんな物でも、どんな事にしても、シンプルな物ほど、シンプルな事ほど難しい。シンプル=単純って事…??、全く違う。
シンプルで完璧な物事ほど、練りに練られた純度の高い崇高な輝きを
放っている。そして、何と言っても『本物は、人を威圧しない優しさと温もり』を持っている。
神奈川横浜の青葉区に一軒のフランス菓子の店がある。
Rue De L’OPERA=オペラ通り、などと何の変哲もない
店名ではあるが、ここの“アップル・パイ”が 正に本物のアップル・パイ。サックリとした食感、口の中に広がるバターの匂い、鼻孔あたりに留まる粉の香りと最後にやって来る、ほのかな林檎の酸味。ちゃんと
した素材と真面目な気 持で作られたシンプルな焼き菓子。
一口食べたら、ほらッ、忘れていた優しい気持を想い出す。

 


時々、無性に食べたくなって買いに行く
美味しいアップルパイ

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